多重債務の始まり…
消費者金融(サラ金)に代表されるように、担保も保証人も不要で、簡単な審査だけで30万円ぐらいすぐに貸してくれるというのは、確かに便利です。
ただ、初めに借りた30万円を計画的に返済してそれで終わりならいいのです。
でも、相手も商売ですから、すぐに「貸付の限度額を50万円まで上げられますがどうします」なんて言ってきます。
それならと借りてしまうのが、よくある多重債務の入り口なのです。
今まで何人もの多重債務の方の話を聞いてきましたが、皆さんはじめはこんな感じです。
50万円いっぱいまで借りて、返済にも困りだした頃を見計らったように、限度額を80万円まで上げますよと言われ、またすぐにいっぱいまで借りてしまう。
また返済に困り、今度は違うサラ金から返済のための借金をし、あっという間に5社、6社と借金するようになり、総額も300万円とか500万円に膨れ上がるわけです。
なぜ、こうなってしまうのでしょうか。
原因は、消費者金融が貸し付けるときの利息にあります。
100万円以下のお金を貸す場合、「利息制限法」という法律で利息の上限は18%と決められています。
ただし、サラ金業者が「出資法」という法律の厳格な要件を満たした貸付をする場合は、最高29.2%までの利息を取ることができます。
業者はこれを根拠に29%ちかい利息を請求しますが、実際のところ要件を満たした業者というのはまず無いと言っていいでしょう。
利息の違い
18%と29.2%、いったいどれくらい変わってくるのかよく分からないと思いますので50万円を月々1万5000円返済していった場合のシミュレーションをしてみたいと思います。
50万円を利息29.2%で
毎月1万5000円返済していった場合
年 月 日 | 借入金額 | 返済金額 | 利息 | 残元金 |
---|---|---|---|---|
H14.8.5 | 500,000 | |||
H14.9.5 | 15,000 | 12,400 | 497,400 | |
H15.9.5 | 15,000 | 11,433 | 457,454 | |
H16.9.5 | 15,000 | 10,120 | 404,309 | |
H17.9.5 | 15,000 | 8,418 | 332,885 | |
H18.9.5 | 15,000 | 6,128 | 238,252 | |
H19.9.4 | 15,000 | 3,067 | 111,752 | |
H20.5.5 | 15,000 | 475 | 4,700 | |
H20.9.5 | -55,177 |
50万円を利息18%で
毎月1万5000円返済していった場合
年 月 日 | 借入金額 | 返済金額 | 利息 | 残元金 |
---|---|---|---|---|
H14.8.5 | 500,000 | |||
H14.9.5 | 15,000 | 7,643 | 492,643 | |
H15.9.5 | 15,000 | 6,148 | 393,313 | |
H16.9.5 | 15,000 | 4,349 | 274,635 | |
H17.9.5 | 15,000 | 2,221 | 132,566 | |
H18.6.5 | 15,000 | 337 | 8,182 | |
H18.9.5 | -36,697 | |||
H19.9.5 | -216,697 | |||
H20.6.5 | -336,697 | |||
H20.9.5 | -396,697 |
過払いの現実
上記の表はそれぞれ平成14年8月5日に50万円借入れ、毎月5日に1万5000円返済していった場合の、利息が29.2%の場合と18%の場合との残元金の違いを見比べるものです。
利息が29.2%の場合、平成20年5月で残元金が4700円になり、翌6月で完済です。
これに対し、利息18%の場合平成18年6月に残元金8182円となり、翌7月には完済できます。
実に2年もの差があることになります。
金額にしても34万円ちかく余分に支払わなければならないことになります。
これは言い方を換えれば、29.2%の利息で返済していた人は、18%の利息に引き直しをすれば、平成20年6月の時点で336、697円の過払いであったことになるのです。
まずは専門家に相談を…
上記のシミュレーションは返済しかしていません。
実際の多重債務の方は、借入限度額の範囲内で借入・返済を繰り返しているので多少様子は変わってきますが、業者との取引が長ければ長いほど、利息制限法の利息に引き直すことによって、借金は少なくなり、場合によっては過払い金が発生し返還請求できることになります。
これを見て今まで長い間返済を繰り返し、これからも続くであろう返済に頭を悩ませていた方も希望が見えてきたのではないでしょうか。
勇気を出してまずはご相談下さい。弁護士・司法書士が事件を受任して、業者に対して受任通知を発送すると、以後業者からの取立は原則として止まります。
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